JAMJAM日記|インドネシア編 大友良英 Otomo Yoshihide

撮影:大友良英

2015/03/23

儀式があちこちで同時進行?!

今日は再び正装をしてウブドのモンキーフォレストの中にある寺院へ。今日はここの神社の誕生祭だそうで、さまざまな儀式が行われるという。一般の人や観光客は入れないことになっているんだけど、カデさんの計らいで特別に入れてもらうことに。今日はここで彼も演奏する。

夕方、日が暮れだすころになると、さまざまなバリ・ヒンドゥーの儀式が始まる。神社の奥の拝殿のような場所に100人単位で順番に通され、手に線香を持ちながら、僧侶にかけてもらった聖水を口にふくんで、おでこに米粒をつけてもらう。そうこうしているうちに、二カ所でガムランの演奏が始まる。遠くから聴くと二つのガムランの音が、森の昆虫や鳥、獣たちの声と混ざりあって、えもいわれぬアンビエントを作り出す。奥の拝殿のほうでやっているガムランには近づくことができなかったんで、僕らは拝殿前の広場のような場所でやってるカデさんが参加してるプリアダン村のガムランのほうを見学。昨日見たチョコルダさん親子が率いる楽団だ。カデさんはお父さんと一緒にクンダンを演奏している。境内にはカデさんの日本人の奥さんや娘さんもいてご挨拶を。『あまちゃん』を楽しみに見てましたよといわれて、ちょっと嬉しい気分。

Monkey Forest(モンキーフォレスト)

バリ島ウブドにある野生猿の自然保護区。約200頭の猿が生息している。

正装(撮影:有馬恵子) 儀式(撮影:有馬恵子)
ワヤン(撮影:石川直樹)

ワヤン(撮影:石川直樹)

広場では若手の踊り子たちが、次々に踊りを披露している。その間にも、さまざまな儀式が奥の拝殿のほうでは行われているらしく、たくさんの人々が出入りしている。とっぷり夜も暮れ、プリアダン村のガムランが終わったあたりで、広場の反対側では影絵芝居のワヤンが始まる。なぜかこのワヤンだけはPAを使っていて、やたら音がデカい。デカすぎるくらいデカい上に、なにやら電子音の出るエフェクターをつないでいて、テクノのトランスの効果音というか、ノイズミュージックとでもいうかシュワ~~って感じのホワイトノイズがワヤンの伴奏のガムランに乗りまくっていて、その上で、影絵師が半分がなるように歌っていて、おまけに影絵にはカラフルな電飾エフェクトも加えていて、なんだかものすごくサイケデリックというか、ボアダムスがガムラン化したとでもいうか、ノイズガムランとでもいったらいいのか、ものすごくへんてこな世界。あまりにも面白いんで、裏にまわって見たら、まわりの人たちがステージ裏に上がれという。おかげで真っ暗な中で影絵師や生演奏をしてる3人ほどのガムラン演奏家、電子エフェクトをかますPAのあんちゃん、サイケな電飾をやる照明さん姿とそのやりとりを見ることができた。

このワヤンをやってる間も、なにやらいろんな儀式が同時進行していて、奥の拝殿からガムランの楽団とともにたくさんの村人が列をなして出てきた瞬間は壮観だった。どうやら楽団ごと、自分たちの村に帰っていくらしい。

ワヤンのほうは手法がめちゃくちゃ現代的になってるのに、物語の全然進行しなさぐあいは、昔ながらで、1時間ほど見ていたけど、まだなにも起こらない。物語でいえば出演者の紹介と背景説明くらいな感じなのかな。多分深夜になるとすごいことになるんだろうけど、さすがに言葉もわからないし、これを最後まで見るのはしんどくなって、途中離脱させてもらった。

Boredoms(ボアダムス)

1986年より、ヤマタカEYヨを中心として活動するロック・バンド。当初のサウンドは、ノイズとハードコア・パンクを主体に実験的なアプローチを試みたもので、日本のみならず海外からも高い評価を受ける。2001年からはV∞RDOMSとして、ドラム・アンサンブルによるトランスへとシフト。メンバーの自由きわまりない活動ぶりも特筆すべきだろう。

ワヤンの舞台裏(撮影:大友良英) ワヤン(撮影:大友良英)
サイケデリックなノイズガムラン(撮影:石川直樹)

ガムラン(撮影:石川直樹)