JAMJAM日記|インドネシア編 大友良英 Otomo Yoshihide

撮影:大友良英

2015/03/19

ガムランの響くバリ島へ

成田からバリ島のデンパサール空港へ。暑い! ここで今回のガイドをしてくださるカデ・スジャナさん(Kadek Sujana, 通称カデさん)、国際交流基金のププットさんと合流、有馬さんとともに車で1時間半のウブドへ。カデさんは奥さんが日本人だそうで、日本語を流暢に話す。ガイドを本業にしているけど、一方でプリアタン村のガムラン演奏家でもある。別便で羽田から到着の石川直樹とビラで合流して早々、隣のレストランにいる東京藝術大学先端芸術学科の伊藤俊治先生や鈴木理策先生と、その学生たちとともに夕食。

明日はバリ歴の正月ニュピの前夜祭、日本で言えば大晦日にあたる日に行われるオゴオゴというお祭りだ。バリの村々ではガムランの演奏とともに大きな輿こしのようなもの(これもオゴオゴと呼ばれる)がたくさんくりだすらしい。ウブドに到着するまでの沿道でも、ねぶたの山車の上に乗ってるような感じの悪魔やら動物やらの形をした張りぼてっぽい巨大な神輿を至るところで見かけた。伊藤先生から、明日のスケジュールや神事に参加する際の注意事項を聞く。カデさんからも言われたけど、僕ら外国人といえどもバリ・ヒンドゥー教の正装をしないと神事の会場に入れないらしい。明日早々、カデさんに教えてもらったプリアタン村の服屋に行くことにする。

ウブド

インドネシア南部、バリ島中南部の村。同島を代表する芸術の中心地として知られ、周辺の村も含め、ガムラン、バリ舞踊、バリ絵画などが盛ん。
出典:デジタル大辞泉

鈴木理策

写真家。ロードムービーのような作風で知られる。東京藝術大学美術学部先端芸術表現科准教授。立教大学兼任講師・東京綜合写真専門学校講師。2000年、『PILES OF TIME』で第25回木村伊兵衛写真賞受賞。2008年、日本写真協会年度賞。

ホテルに戻る道すがら、どこからともなくガムランの調べが聞こえてくる。石川くんや有馬さんとともに、音の方向に行ってみると、10代の青年たちが公民館のようなところでガムランの練習中。通常のガムランの楽器以外に、手持ちの小さな両面シンバル、チェンチェンコピヤを叩く人たちが多数いる。その激しいサウンドはちょっと韓国のサムルノリのよう。外にはよだれまで再現した生々しい牛の巨大なオゴオゴがある。明日はこのオゴオゴとともに彼らもパレードをするんだろう。

サムルノリ

伝統的な4種の打楽器で演奏する、韓国の音楽。民俗芸能である農楽を、舞台芸術として再構成したもの。サムルは漢字で「四物」と書き、ノリは「遊び・演技」の意。4種の打楽器とは、銅鑼(どら)・鉦(しょう)・杖鼓(じょうこ)・鼓のこと。
出典:デジタル大辞泉

公民館でガムランの練習中 撮影:石川直樹

日本では花粉症がひどくて、目はかゆいし鼻水は止まらないしだったけど、バリに着いて数時間、気がつくと症状はすっかり消えていた。久々に薬の世話にならずにゆっくり寝れる……と思いきや、強烈なカエルの鳴き声。これだから大自然は苦手なんだよなあ。

虫 (撮影:大友良英)