JAMJAM日記|インドネシア編 大友良英 Otomo Yoshihide

撮影:大友良英

2015/03/24

音楽が生まれる「場」を

今日は待ちに待ったガムラン教室の日。石川くんは伊藤先生のギャラリーでの展示の準備があるんで、そちらのほうに。わたしと有馬さんはカデさんの家に行って、彼の練習場でさっそくウガールをカデさんに教えてもらう。子どもが最初にやる簡単な曲だそうだけど、いや~~見るとやるとでは大違いで、難しい。高校生までピアノをやっていた有馬さんのほうが吸収が早い。何度もミスをしながらも最後はカデさん、有馬さんとオレでなんとか三重奏ができるまでにはなったけど、いや~難しい、難しい。でも、ほんの少しだけど、あのリズムと音色が複雑に交差する独特のアンサンブルの魅力の入り口だけは味わわせてもらった。

その後は「アランアランハウス」に行って、伊藤先生、石川直樹とわたしでトーク。ここで行われる「熱帯のアトリエ」&展覧会「転生/TRANSMIGRATION 2015」のオープニングイベントでもある。宿泊施設にもなってるアランアランハウスの部屋には、学生から作家まで、さまざまな人たちの作品が展示してある。石川くんの写真が展示されている部屋の片隅に置かれていた鈴木理策さんの手作りの小さな写真集が素敵だった。

トークは伊藤先生が僕らに質問をする形で、大晦日の火祭りの話からはじまった。1時間ほどの鼎談の中でさまざまな話題が出たけれど、先生は僕らがこれからやろうとしてるアジアのオーケストラにとても興味をもってくれていて、トークの中でもたくさんのヒントを僕らにくれた。とりわけ、ただ音楽をやるということではなく、音楽が生まれる「場」をどう作っていくかこそが、東南アジア地域でアンサンブルを組んでいくにあたっての一番の鍵になるんじゃないかという伊藤先生の視点は、まさにけいがん。ただ作曲するように音楽を作るのではなく、人とともに場を作っていくこと。あるいは音楽を作ることと場を作ることがイコールのような発想を僕らはしていく必要があると思う。

トーク(撮影:有馬恵子)
トーク(撮影:有馬恵子)

「熱帯のアトリエ」&展覧会「転生/TRANSMIGRATION 2015」

2015年3月24日~28日に、バリ島ウブドのアランアランハウスで行われた展覧会。企画監修は伊藤俊治、参加アーティストは、鈴木理策、石川直樹、村尾静二ほか。
http://ima.fa.geidai.ac.jp/event/trans2015/